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日本被団協へのノーベル平和賞授与決定に対する
広島県医師会のメッセージ

 日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を授与されるとの朗報に接し、心からお祝い申し上げますとともに、核兵器の無い世界の実現に向けた、日本被団協の皆様、被爆者の皆様のこれまでのご尽力にあらためて敬意を表します。

 1945年(昭和20年)8月6日、人類史上初の原子爆弾が投下され、一瞬のうちに市街地は壊滅し、あまたの尊い生命が奪われました。かろうじて生き残られた医師たちは、自らが被爆し傷ついた身体でありながら、おびただしい数の被爆者に、必要な医薬品が全く足りない中、できる限りの応急処置を続けました。この姿こそ広島の医療者の原点であり、私たち広島県医師会は、この尊い活動を胸に刻み、日々の医療に励むとともに、ヒロシマの医師として、被爆体験の伝承と被爆医療の推進に注力しております。
 また、広島県医師会は在外被爆者支援の一環として、広島県が実施している在北米・在南米被爆者健康相談等事業に医師を派遣しております。近年、被爆者の高齢化等により健康相談を受けたくても会場に来ることが困難な被爆者のために相談会場を増やすなど、被爆者の声を伺いながら寄り添った支援を届けることで、現地被爆者は故郷広島からの健診を心待ちにされています。
 このたび現地の被爆者や協力医療機関等の受け入れ希望により、第1回の1977年(昭和52年)から47年目となる在北米・在南米被爆者健康相談等事業を10月8日から10月22日の日程で実施しており、バンクーバー(カナダ)、ロサンゼルス(米国)、サンパウロ(ブラジル)を訪問し、私を団長に団員として本会役員、広島県職員が現地に赴き健康相談などを行っております。現地の被爆者が希望されていることやわれわれにできることを可能な限り行ってまいりたいと考えております。
 さらに、本会が日本支部事務局を務め、1985年(昭和60年)にノーベル平和賞を受賞したIPPNW(核戦争防止国際医師会議)の世界大会が被爆80年となる来年の10月に長崎で開催されます。世界情勢が混迷を深める中、この世界大会に各国から集う医師とともに、私たち一人一人ができることを見つめ直し、真の平和を希求していきたいと思います。
 核兵器のない世界の構築を実現すべく、核戦争に対する処方箋は唯一核兵器廃絶あるのみです。私たちは、ヒロシマの医師として、ヒロシマ・ナガサキの核兵器廃絶と平和の願いを、広島からこれからも発信し続けることをお誓い申し上げます。

2024年(令和6年)10月11日

一般社団法人広島県医師会会長
松 村  誠

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