会長挨拶

令和4年6月12日に開催されました第132回臨時代議員会において、再び広島県医師会長に選任いただきました。決意も新たに与えられた職責を果たしていく所存です。新執行部役職員ともども、どうぞ今期もよろしくお願い申し上げます。
さて、一昨年6月14日に、コロナ禍の中、広島県医師会の会長を拝命し、2年が経過しました。この2年間、一貫して県下全ての市区郡地区医師会の参画による実行力ある「オール広島の県医師会」を創り上げ、パンデミックとの闘いに全力を傾注してまいりました。令和2年6月の就任時は第1波が落ち着き、第2波が始まろうとしていた時期です。その後、第2波から第6波が次々と襲い、さらに今年4月には第7波となり、大型連休明けには再感染拡大しましたが、現在は、新規感染者は減少傾向にあります。おかげさまで、会員そして市区郡地区医師会の皆さまのご協力ご支援により、広島県では医療崩壊に至ることなく地域医療を守ることができました。しかし、今後新たな変異株の出現も危惧されており予断を許しません。引き続きコロナ禍に対し厳重な危機管理体制を維持してまいります。
また、世界では、今年2月24日、ロシアによる国際法に違反するウクライナ侵略戦争が勃発しました。開戦後約4ヵ月になろうとしていますが、戦闘は激しさを増しており、市民の犠牲者も急増しており、深刻な人道危機が続いています。そして、核戦争や世界大戦の危険性も危惧されており、戦争が長期化の様相を呈しています。今のところ、全く停戦への道のりが見えない厳しい状況が続いています。
そして、わが国では3月16日に最大震度6強の福島県沖地震が発生し、甚大な被害に見舞われました。今後、起こるであろう南海トラフ地震ですが、現時点では今後30年以内に70~80%で発生する確率であり、防災・避難対策の十全の準備が急務です。
今年2022年は、これら人類の3大危機である戦争、災害、疫病が同時に起こっており、決して忘れ得ぬ歴史に名を残す年になるでしょう。そういった中、広島県医師会では、来たるべき南海トラフと新型コロナなどの新興感染症のパンデミックに対し、県民のいのちと健康を守るべく、県行政・広島大学との官・学・民一体の「オール広島」で、十全の対策を講じてまいる所存です。
その上で、今期につきましても、いっそうの「オール広島の県医師会」として会務・事業を推進し、県行政、広島大学との官・学・民一体の「オール広島」により「広島県の医療を日本一に!」を目指します。特に、今後、ウィズコロナ・ポストコロナを見据え、地域医療構想の見直しが行われる予定です。特に、その中で再編される予定の広島都市圏での新拠点構想(高度医療・人材育成拠点ビジョン)を、当該圏域の市区郡地区医師会とともに全面的に支援し協力してまいります。さらに、令和6年度には第9期介護保険事業計画と第8次医療計画の同時改定が行われる予定ですので、県地対協とも連携し、県行政に医療政策につき積極的に提言・要望を行ってまいります。また、日本医師会には2年後の診療報酬と介護報酬の同時改定を見据え、医療現場からならではの地域医療の課題解決の提言を行ってまいる所存です。
令和4年6月