痛風
ある日突然足の親指の付け根の関節が赤く腫れて激痛を生じた場合は痛風が考えられます(痛風発作)。痛風は体の中に尿酸がたまることによって起こる病気で、尿酸はプリン体という物質からできる最終産物です。尿酸がたまりやすいのは関節で、とくに親指の付け根から起こることが多く順次体の方に上がって行き、膝、手、肘まで拡がることもあります。内臓では腎臓にたまりやすく腎機能に注意が必要です。痛風患者は全国で50万人ほどで、ほとんどは男性で、女性は100のうち一人か二人程度です。これは女性の血中尿酸値が男性より低いためで、女性ホルモンに腎臓から尿酸を排泄する働きがあるためです。血中尿酸濃度は7mg/dl以下が正常で、7mgを越えると高尿酸血症とよび、9mgを越えると痛風発作を起こしたり、足以外にも尿酸がたまり易いので薬を使った治療が必要になります。
尿酸を上げる要因としては
- 20%程が遺伝
- 肥満
- 飲酒(ビールにはプリン体が多い、蒸留酒には少ない)
- ストレス、激しい運動
- 他の病気(腎機能低下、血液疾患、悪性腫瘍など)
- 薬剤の影響(利尿剤、喘息の薬の一部など)
があります。
治療としては痛風発作時には消炎鎮痛剤、コルヒチンなどを投与し、尿酸値を下げる薬として尿酸排泄剤、尿酸生成抑制剤を投与します。また尿路結石を予防するため尿中の尿酸を溶けやすくする薬もあります。いずれにしても医師と相談してどのような治療をするか決定することが必要です。
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