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皮膚科の専門性

1)目で見て診断できるということ

皮膚に出ている症状は誰でも見ることが可能です。しかし皮膚の解剖・病理を知った上で正しく診断するにはそれなりの訓練と経験を必要とします。最近はエ コー、CT、MRIなど画像診断が発達していますが、これを正しく読めるようになるのに訓練や経験が必要なのと同じことなのです。
また皮膚疾患の診断は目で見て行うだけではありません。よく行うものにカビなどを顕微鏡で見る検査があります。必要であれば、皮膚の組織検査(皮膚生 検)や血液検査(アレルギー検査、血液一般や肝機能検査他)および画像診断も行います。それから皮膚科でしか行わない検査もあります。たとえばパッチテス ト(かぶれの原因究明)や光に関するテストなどはその代表的なものです。

2)皮膚は内臓の鏡(皮膚から全身を見る)

昔から「皮膚は内臓の鏡」と言われています。皮膚に何か症状が出現した場合その局所にだけ原因がある場合もありますが、本当は皮膚以外に病気がありその 部分症状として皮膚に症状が出現することもあります。このことから我々皮膚科医は常に全身というものを考慮して診察に当たらなければなりません。
1)で述べたように皮膚科専門医は皮膚の症状から、全身疾患との関連の有無や関連する疾患を予測できなければなりません。ですから皮膚に症状があり基礎 疾患が不安な場合でも皮膚科を受診してください。他科との連携が必要なときは適切な科へ紹介することができると思います。

3)皮膚科は内科的治療と外科的治療をする

皮膚科では軟膏を処方するだけといったイメージを持っている方がおられるかもしれません。しかし実際にはいろいろな治療法を行っていますので以下に紹介いたします。

まず皮膚科の治療法の中では代表的な外用療法について説明いたします。一口に外用剤と言ってもいろいろな作用の薬があります。特にこの数年、アトピー性 皮膚炎、乾癬などに対してこれまでにない作用機序の薬が開発されてきています。また同じ作用の薬でも軟膏、クリーム、ローション、テープなどいろいろな剤 形があります。これらの外用剤をうまく使いこなすことができるためには専門的な知識や経験が必要です。
たとえば最近よく話題に上るステロイド外用剤ですが、強いものから弱いものまでたくさんの薬が作られています。一般的に強いものほど副作用は出やすく、 弱いものほど出にくい傾向があります。また塗る場所や症状によっても皮膚からの薬の吸収は大きく異なります。誤った使い方をすれば副作用が出ますが、正し い診断、使い方をすればとても有益な薬です。これを正しく使えるのは専門医だからこそと考えています。

次に内服療法ですが、皮膚疾患に対する新しい内服治療剤もいろいろと出てきています。たとえば従来爪の水虫はなかなか治らないと思われてきました。しか し最近では1日1回の内服で7割以上の人が治っています。また難治の乾癬に対する内服療法としてレチノイドやシクロスポリンが用いられています。
光を利用した治療というものも皮膚科独自の治療として行われています。

皮膚科では以上述べたような内科的治療だけでなく手術も行っています。たとえば皮膚腫瘍の摘出や再建も行っていますし、やけどの植皮術も行っています。特に皮膚腫瘍の場合、診断が重要であるので皮膚科が治療を行うべきであると考えています。

その他いぼなどに対する冷凍凝固療法や一部の施設ではありますがレーザー治療なども行っています。

4)皮膚科は乳幼児から高齢者まで全年齢患者を対象とする

皮膚科は乳幼児から高齢者まで全ての年齢層を診ています。乳幼児では、最近話題になっているアトピー性 皮膚炎から先天性のあざ(全身と関連するものもある)、いろいろな皮膚の感染症などがあります。また高齢者では皮膚の老化や機能低下に伴ういろいろな病気 や腫瘍があります。

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