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広島外科会会長挨拶

広島外科会会長 浅原 利正

20世紀終盤から21世紀にかけて学術研究の進歩は目覚ましく,特にICTの格段の進歩によるグローバル化の進展は人類社会の有り様を変えています。医学・医療分野においても例外ではなく,分子生物学,画像診断などの診断学分野,更にはロボット手術,抗体医薬,放射線治療などの治療分野にも革命といえる現象が起こり,かつ加速しています。加えて我が国においては高齢社会が急速に進展しており,医療と介護の連携が不可欠なものと認識されています。医療制度そのものにも大きな変革が求められているといえます。

昭和9年(1934年)6月24日,当時の広島地域の外科のリーダーであった島薫先生,日下部且三先生,松尾信吉先生が中心となられて,広島地域の外科診療の発展と外科医同士の親睦を図ることを目的として「広島外科医会」が発足しました。発足当初の目標は「病気だけでなく全人的医療」を,という現在でも医療の原点として不可欠な医療人としての理念が掲げられていたことに改めて先人の志の高さに敬服します。

江崎治夫教授(当時に第二外科)が主催された第45回日本臨床外科学会学術集会はオール広島で支援体制が構築されました。その45回大会を記念し,その時の基金を基に「広島臨床外科医学会賞」「広島臨床外科医学奨学金」が創設され,毎年外科,整形外科,脳神経外科の医師を対象に広島医学会総会にて表彰しています。この表彰制度が外科系臨床医,特に若手医師の励みになっていることを確信しています。

高齢社会の進展により疾病構造の変化が予想されます。循環器,呼吸器,整形外科疾患が増加し,高齢者のがんに対する治療も若年者とは適応や治療法も異なることが考えられます。AIの医療分野への急速な導入など未来医療の変化が予測される中で将来の外科医療はどのような方向に進むべきかが問われています。改めて変化が激しい社会であるがゆえに「病気だけでなく全人的医療」という患者さんが原点の医療,外科医会発足の理念を忘れずに患者さんへの貢献を果たしていきたいと思います。

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