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知っておきたい予防できる海外での感染症

目次

破傷風

破傷風を起こす細菌は、我が国も含め世界中の土壌に存在します。怪我をした傷から破傷風菌が侵入し、傷の中で徐々に増殖して発病します。最初は肩がこる、口が開きにくい、といった症状から始まり、悪化すると全身の筋肉が痙攣(けいれん)をおこします。集中治療を要することもあり、死亡率が高い病気です。このため破傷風ワクチンは基本的に全ての人に接種をお勧めしています。特に怪我をする可能性の高い旅行や、長期間の滞在の場合は接種して下さい。

日本では昭和43年に破傷風ワクチンが定期接種となりました。ただし風疹やおたふく風邪と異なり、終生免疫ではありません。ワクチン接種から約10年すると、破傷風菌に対する免疫が低下し、追加接種が必要になります。

昭和43年以降に生まれた人の場合、子供の時に3種混合ワクチンを接種していますので、20歳ごろまでは免疫があります。破傷風ワクチンが必要な人は以下の通りです。

(1) 昭和43年以前に生まれた人

(2) 昭和43年以降に生まれて、現在20歳以上の人

(1)に当てはまる人はワクチン接種歴がないため、半年から1年かけて3回のワクチン接種が必要です。(2)に当てはまる人は小児期にワクチン接種歴があるため、1回の追加接種で十分な免疫を獲得できます。

ただ3回接種が必要な方の中にも、渡航まで半年待てない人が多いと思います。その場合は1回だけの接種でもよいので接種して下さい。余裕があれば、1ヶ月後に2回目を接種してから渡航すると、なお効果的です。破傷風ワクチンは国内で豊富に流通していますので、多くのの医療機関で接種を受けることができます。


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