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知っておきたい放射線の正しい知識

目次

第2章 日常生活と放射線

 自然界には様々な放射線が存在し、科学的に正確に言えば、私たちは、体の外部からも内部からも日常的に常に放射線を被ばくしています。自然界にもともと存在する放射線を自然放射線といいます。自然放射線からうける放射線量は、世界平均で年間約2.4ミリシーベルトです。
 体の外部からあびる放射線には、大地や建物から放出される放射線があります。大地や建物には、ウラン、ラジウム、カリウム40などの微量の放射性物質が存在し、そこから年間約0.48ミリシーベルトの放射線をあびています。また、宇宙から地上に降り注ぐ宇宙線は、年間約0.39ミリシーベルトに相当します。
 体の内部からうける放射線は、主に呼吸や飲食により放射性物質が体内に取り込まれることが原因です。呼吸により空気中に存在するラドンなどを取り込むことで、年間約1.26ミリシーベルトの放射線をうけています。また、食物の中には微量のカリウム40や炭素14などの放射性物質を含んでいるものがあります。これらの食物を体内に取り込むことにより、年間約0.29ミリシーベルトの放射線をうけています。
 自然放射線以外に、レントゲン撮影、CTスキャンなどの医療用放射線からうける平均放射線量は、日本人で年間約2.3ミリシーベルトといわれています。

自然放射線から受ける線量
一人当たりの年間線量(世界の平均)

自然放射線から受ける線量

(資源エネルギー庁 : 放射線とくらしを参照)

体内および食物中に含まれる放射性物質とその量

体内および食物中に含まれる放射性物質とその量

普段口にする食物の中にも放射性物質が含まれています。体内の放射性物質は、食物を通じて体の中にとりこまれています。
これらの放射性物質は時間の経過とともに放射能が低くなり、代謝により体外に排出されるため、体のなかにたまり続けることはありません。

(文部科学省 : 原子力・放射線の安全確保、 電気事業連合会 : 原子力・エネルギー図面集を参照)

日常生活における放射線

日常生活における放射線

(文部科学省 : 日常生活と放射線を参照)

 下の図は、世界各地の大地から受ける年間自然放射線量を示しています。世界各地における年間自然放射線量はほぼ同じレベルで約0.5ミリシーベルトです。しかしながら、中国の陽江地域、ブラジルのガラパリ、インドのケララ地方、イランのラムサールなどは、世界平均値と比較して、数倍から数十倍も大地から受ける自然放射線量が高くなっています。これらの地域の土壌や岩石に含まれる放射性物質が、他の地域と比べて高いことが原因と考えられています。自然放射線の多い地域である中国の陽江地域、ブラジルのガラパリ、インドのケララ地方、イランのラムサールなどに住む人達を対象に健康影響への調査が行われていますが、これまでに特別な健康被害は報告されていません。

世界各地の大地から受ける年間自然放射線量(単位:ミリシーベルト)
(1993年国連科学委員会報告書等により作成)

世界各地の大地から受ける年間自然放射線量

(文部科学省 : 原子力・放射線の安全確保より抜粋)


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