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眼の救急 -いつまでも健やかな視力を-

目次

V.明日まで待てる疾患

患者さんにとっては不安でしょうが、次のような疾患の場合は翌日まで待つことができます。特に眼の表面の結膜(しろめ)に起きる疾患は、見た目が派手なため患者さんはびっくりされますが、受診は通常の診察時間内でかまいません。
急ぐ必要はなく通常受診でよい疾患
1.結膜浮腫
2.結膜下出血

1.結膜浮腫
結膜が急に浮腫(腫れ)を起こして、水ぶくれの状態になることがあります。腫れた結膜がゼリー状になって盛り上がってくるため、患者さんは「眼が飛び出 てきた」とあわてて眼科を受診されます。これはアレルギー反応の一種で、眼を擦ったり、掻いたりしたのが刺激となって結膜が急に浮腫を起こすのです。結膜 の表面の膜は薄く柔らかいため、どんどん盛り上がってきます。
治療は眼を触らないことです。触らず放置しておくと、数時間するとだんだん腫れが引いてきます。時に浮腫を早く引かせるために点眼薬を使用することもありますが、治療の基本は眼を刺激しないことです。
この結膜浮腫は見た目が派手であるため、病気のことを知らなければ、患者さんが慌てるのも無理もありません。眼科受診は通常の診察時間内でかまいませんが、その時までに腫れが治まることが多いようです。

2.結膜下出血
結膜にある細い血管が切れて出血が起き結膜が赤くなることです。結膜の一部分が少し赤くなるといったものから結膜全体が真っ赤になるものまで程度はさま ざまですが、患者さんは「眼が出血した」「眼が真っ赤になった」とびっくりして受診されます。眼が赤くなるために重症のように見えますが、実際の出血量は 大したことはなく、また、気付いた時には既に出血自体は止まっています。白い結膜に赤い出血が起きて派手に見えるために思考さんはあわてます。
治療は出血ですから自然に吸収されるのを待つことになります。個人差はありますが、通常1週間前後かかります。


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