小児科 ロタウイルス感染症
冬季にみられる乳児下痢症の約80%はロタウイルスによる下痢症です。2才未満の小児を中心に11月頃から翌年5月頃までみられます。流行のピークはその年によって変わり、11月、12月あるいは1月、2月に大流行することがあります。原因はロタウイルスによる糞便からの経口感染です。流行時期には1才未満の乳児の下痢症から70%前後に下痢の原因となるロタウイルスが分離されます。主な症状は嘔吐(おうと)と下痢、発熱です。約半数の乳幼児が嘔吐で発症し2~3日続きます。下痢は米のとぎ汁のような白色水様便が特徴で5~7日間続きます。合併症は下痢による脱水症や腸重積、その他、けいれん、まれですが脳症などがあります。治療は、通常の下痢嘔吐症の内服治療を行います。下痢は無理やり薬で止めるとよくないことがあります。最も大切なのは下痢おう吐の食餌療法です。また脱水があり経口摂取が困難な場合は点滴による水分補給を行います。