小児科 細菌性腸炎
ウイルスや細菌が食物を介して感染し、腸炎などを引き起こすのが食中毒です。一般的に、ノロウイルスやロタウイルスなどによる「ウイルス性腸炎」は、水分管理がしっかりできれば、数日で自然に治ります。しかし、大腸菌のほかサルモネラ菌、カンピロバクターによる「細菌性腸炎」は症状が重い傾向があります。多くは2~4日の潜伏期を経て発症し、発熱、吐き気、下痢などの症状が出ます。細菌性の場合、強い腹痛と水っぽい下痢が何度も長く続く傾向があり、血便を伴うことも珍しくありません。ニワトリが体内に持っていると言われているカンピロバクターは熱に弱いので、子どもに鶏肉を与える場合は、生食は避け、くれぐれも十分に加熱調理してください。卵にもカンピロバクターやサルモネラ菌が潜む場合があり、生食はお勧めしません。調理の後は、手を洗剤でよく洗いましょう。まな板、包丁、台ふき、菜ばしなどにも菌が付着していますので、熱湯で洗い流すようにしましょう。治療の基本は、安静にすることと塩分を含む水分をしっかり摂ることです。医療機関を受診して、必要があれば有効な抗生剤の投与を受けてください。