小児科 日本脳炎
日本を含めた極東アジアから東南アジア、南アジアにかけて認められる感染症で、日本脳炎ウイルスが原因です。このウイルスは家畜のブタの体内で増えて、蚊がブタの血を吸い、その蚊が人を刺して感染します。人から人への感染はありません。1960年代までは国内での発生は年間数千人でしたが、1992年以降は10人以下と少なくなってきています。しかし、現在も関東より西の地域では、夏になるとブタの血液から高い確率でこのウイルスが見つかっています。典型的な経過は、6~16日の潜伏期間ののちに、発熱、頭痛、吐き気、めまいなどで始まり、けいれんや意識がなくなるなどの脳炎の症状が出ます。脳炎を起こした場合は、死亡率30%、後遺症率50%と重症な感染症です。まわりには見かけない病気ですが、発病後は特別な治療がありませんので、忘れずに予防接種を受けましょう。