小児科 麻疹(はしか)
麻疹(はしか)は感染力が強く、重症化しやすい伝染病です。感染から9~11日の潜伏期をへて発症します。はじめの3日間程度は、高熱、ひどい咳、鼻汁、目やになど、風邪を思わせる症状が続きます。その後、半日程度、熱が下がります。この頃、コプリック斑と呼ばれる特徴的な口腔内発疹が出現します。やがて全身に赤い発疹が出現しさらに高熱が4日ほど続きます。赤い独立した発疹は、次第に融合し、褐色の色素沈着を残して消退していきます。合併症がなければ、7日間程度で解熱しますが、高率に合併する肺炎や中耳炎のため発熱期間の延長が見られることもしばしばあります。また、脳炎など非常に重篤な合併症が見られることもあります。全身の消耗が強いため、入院が必要となることが多い病気です。麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)の接種により、予防できる病気です。積極的にワクチンを接種して社会全体で麻疹の撲滅を図る必要があります。