耳鼻咽喉科 副鼻腔炎って?
眼の下や内側、すなわち鼻の周囲の頭蓋には副鼻腔とよばれる、外気と通じる空洞が多数存在します。この空洞内の外気の交換がうまくできなくなり、空洞内に滲出液や膿がたまった状態が副鼻腔炎です。
最近は小さなお子さんでもアレルギー性鼻炎になることがあります。アレルギー性鼻炎によって鼻の中の粘膜が腫れると鼻づまりが起きますが、同時に副鼻腔内の空気交換も難しくなり副鼻腔炎が起きやすくなります。
副鼻腔の中にたまった水に細菌などのばい菌がとりつき、痛みをともなってほっぺたが腫れるようなことがあります。小さなお子さんでは、そこから身体中にばい菌がばらまかれて敗血症になったり、視力に影響が出たりすることがあります。片側の目の下のほっぺたが真っ赤になって腫れるときには注意が必要です。
副鼻腔炎は蓄膿症と呼ばれることもありますが、蓄膿症はウイルスによる透明な鼻汁が細菌感染による黄緑色の膿性鼻汁に移行した状態です。原則として治療に抗生物質は必要ありませんが、症状がひどいときには抗生物質を使った治療が必要になることもあります。最近、複数の抗生物質に耐性を持つ細菌が増えてきています。抗生物質を処方された時には、きちんと服用して、服用期間を短くするようにしましょう。