皮膚科 じんましん
じんましんって?
皮膚の一部に突然、虫刺されやみみずばれのような赤いふくらみができる病気で、多くの場合かゆみを伴います。大きさや形はさまざまですが、しばらくすると跡形なく消えてしまうのが特徴です。場所を変えながら繰り返し発疹が出ることも多いのですが、それぞれの発疹は通常数時間以内に消えてしまいます。赤みやふくらみが2日以上同じ場所にとどまる場合は、たいていは別の病気です。じんましんは食物アレルギーでもっともよく見られる症状ですが、じんましんの側からみると、食物アレルギーによるじんましんはその一部に限られます。じんましんは、次の2つのタイプに大別されます。
- ①原因・誘因が明らかなじんましん(刺激誘発型のじんましん)
特定の刺激が加わったときのみ症状があらわれるのが特徴で、刺激がなければ症状はあらわれません。食物アレルギーによるじんましんはその代表とも言えますが、アレルギー以外の仕組みで起こるものもあります。食物以外に、薬物、皮膚のこすれ、寒冷、温熱、日光などによるじんましんがあります。 - ②明らかな原因・誘因のないじんましん(特発性のじんましん)
明らかな誘因なく毎日のように繰り返し症状があらわれるのが特徴で、じんましんの多くはこのタイプです。直接の誘因はありませんが、ストレス、疲労、感染症などが影響していることが珍しくありません。
治療はどうするの?
じんましんの治療は、抗ヒスタミン薬を中心とした薬物治療と原因・悪化因子の除去・回避からなりますが、じんましんのタイプによってその比重が異なります。
- ①原因・誘因が明らかなじんましん(刺激誘発型のじんましん)
原因となる刺激(例えばアレルギーの原因食物)が加わった場合の症状の出現を薬物治療により完全に予防することは難しいので、原因を特定し避けることが治療の基本となります。 - ②明らかな原因・誘因のないタイプのじんましん(特発性のじんましん)
薬物治療が中心になりますが、薬で症状をコントロールしているうちに多くの場合治ってしまいます。
いずれのタイプでも、出ている症状に対しては、抗ヒスタミン薬を中心とした薬物治療を行いますが、重症の食物アレルギーなどで呼吸器や消化器など皮膚以外の症状もある場合には救急治療も含めた対応が必要になることがあります。