知っておきたいこころの救急
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26人との離別など、計り知れない喪失体験をもたらし、こころに深い傷を残すことがあります。⑴災害後に起こりやすいこころの状態 • 日常生活のサポート:高齢者や一人暮らしの人など、困難を抱えている人がいれば、食料品の買い物や生活用品の調達など、できる範囲でサポートしましょう。自然災害は、生命の危険だけでなく、家屋の損壊、財産の喪失、大切な災害直後から時間の経過とともに、さまざまなこころの状態が現れます。①急性期(災害直後~数日):  • ショック:現実を受け止められない、感情が麻痺する。  • 興奮・混乱:感情の起伏が激しくなる、パニック状態になる。  • 怒り、不満:誰かに怒りを向けたくなる、不満を感じる。  • 身体症状:吐き気、めまい、不眠、食欲不振など。②亜急性期(数日~数週間):  • 疲労、倦怠感:身体的・精神的な疲労が蓄積し、何もする気になれない。  • 不眠、悪夢:災害の夢を見る、眠れない日が続く。  • 不安、焦燥感:将来への不安、物事が思い通りに進まない焦り。  • イライラ、怒り:些細なことでイライラする、感情のコントロールが難しくなる。  • フラッシュバック:災害時の光景や音が突然よみがえる。  • 罪悪感:助けられなかったことへの罪悪感、生き残ったことへの罪悪感。③慢性期(数週間~数ヶ月、それ以降):  • うつ状態:ゆううつな気分が続く、興味や喜びの喪失。  • PTSD(心的外傷後ストレス障害):フラッシュバック、回避行動(災害を思い出させるものを避ける)、過覚醒(常に緊張状態にある)などの症状が続く。2.自然災害時の「こころの救急」(例:地震、豪雨災害)

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