知っておきたいこころの救急
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18子どもの危機対応におけるポイント社会課題です。身体の衰えや社会的な変化(配偶者の死、退職、身体機能の低下、孤立など)と密接に関連しており、複雑な形で現れることがあります。 • 言葉にならないサインに気づく:幼い子どもは特に、言葉で苦しみを表現できません。行動の変化、表情、遊びの様子など、非言語的なサインに敏感になりましょう。 • 安全な場所と信頼できる大人の提供:子どもが安心して過ごせる場所、信頼できる大人(親、学校の先生、スクールカウンセラーなど)を提供し、秘密が守られることを伝えましょう。 • 専門機関への相談:児童相談所、小児精神科、児童精神科、スクールカウンセラー、子どもの発達支援センターなど、子どものこころと成長を専門とする機関に相談しましょう。児童相談所は虐待の疑いがある場合の通告先でもあります。 • 学校との連携:学校の先生やスクールカウンセラー、養護教諭と密に連携し、子どもの状況を共有し、チームでサポートしましょう。日本は世界でも有数の高齢化社会であり、高齢者の精神的健康は重要な • 認知症と精神症状:認知症は単なる記憶障害だけでなく、さまざまな精神症状を伴うことが多く、こころの救急の対象となる場合があります。意欲の低下、抑うつ、興奮、攻撃性、妄想(特に物盗られ妄想)、徘徊、幻覚などが典型的な症状です。 • 高齢者のうつ病:高齢者のうつ病は、身体症状(痛み、倦怠感)が前面に出たり、記憶障害を伴い認知症と間違われやすかったりすることが特徴です。「仮面うつ病」とも呼ばれ、単なる「年だから」と片付けられないように注意が必要です。適切な診断と治療を受けることで、改善が期待できます。 • 孤立と見守り:高齢者のこころの危機は、社会的な孤立が大きな要因となることがあります。孤立した高齢者は、精神的な不調に気づかれにく2.高齢者の精神的危機と対応

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