知っておきたいこころの救急
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11葉よりも、あなたの存在そのものと、相手を思いやる気持ちが伝わることの方が大切です。ねてしまいます。ただ存在し、耳を傾け、そばにいることが、この段階では最も強力なサポートになります。3.避けるべき言動:否定、非難、説得4.専門家への相談を促す:具体的な情報提供この時、必ずしも「正解」の言葉をかける必要はありません。むしろ、言 • 否定しない:「そんなことないよ」「気のせいだよ」といった言葉は、相手の苦しみを否定し、孤立感を深めます。「頑張れ」という言葉も、すでにもう十分に頑張っている人にとってはプレッシャーにしかなりません。 • 責めない:「なんでそんなことをするの?」「あなたのせいで周りが迷惑している」といった非難は、相手をさらに追い詰めます。 • 説得しない:「こうすれば良くなる」「考え方を変えればいい」といった安易な説得は、相手の苦しみを理解しようとしない態度と受け取られかねません。これらの言動は、相手がさらにこころを閉ざす原因となり、信頼関係を損相手の安全が確保され、少し落ち着きが見られたら、専門家への相談を促すことを検討しましょう。「一緒に解決策を探そう」という姿勢で伝えましょう。 • 具体的な選択肢を提示する:どこに相談すればいいかわからない人も多いので、具体的な相談窓口(精神科・心療内科、精神保健福祉センター、いのちの電話など)の情報を提供する。連絡先や場所、受付時間などを調べて教えてあげると、相手は行動しやすくなります。 • 受診への付き添い:一人で医療機関を受診することに抵抗がある場合は、「一緒に行こうか?」「予約を取ろうか?」と付き添いを提案することも有効です。 • 強制ではないことを伝える:あくまで相手の意思を尊重し、無理強いは

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