図19 ECMO搬送 拠点病院に患者さんを集めてECMOを用いた治療を行うと、生存率が向上することが知られています。このため、広島県では多くの病院のご協力のもと、ECMOを必要とする重症呼吸不全患者さんを広島大学病院へ集約化しています。A救急車やBヘリコプターを使用して、ECMOを持って往診し、紹介元病院でECMOを装着するなどして、広島大学病院へ搬送しています。(A)(A)ECMOECMO(B)(B)ECMOECMO27てきましたが、その根底には、これまでの西日本豪雨災害・能登半島地震・G7広島サミットなどにおける災害医療の経験が活かされていると感じています。今後も、これまでの経験を活かして、地域の健康と安全を守りたいと思います。災害時に備えておくべき最も重要なことは、平常時の事前準備です(表5)。災害が発生した後は、気持ちが動揺し、情報も錯綜しやすく、物資の供給も滞ります。普段から災害時に必要な物資(水・食料・常備薬・応急手当キット・懐中電灯・電池・重要書類など)を備蓄しておきましょう。また、災害時の避難経路や避難場所を確認し、家族と共有しておくことも大切です。たとえ連絡が取れなくても、予め待ち合わせ場所を決めておくと安心です。携帯電話やSNSの連絡方法も決めておくと良いですが、災害時には不通になる可能性があるため、貼り紙や書き置きなどアナログ的な連絡方法も併用しましょう。一般市民が知っておくべき災害時の対応
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