守る命つなぐ希望 災害時に役立つ基本知識と最先端技術
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17図11 能登半島地震における全病院避難    AB地震発生から数日が経過していましたが、地面のひび割れがひどく、病院が    CD入院中の患者さん全員を他院へ避難させる必要が発生したため、自衛隊機を併用して多数の患者さんを一度に避難させました。自衛隊機の中は暗くて寒いため、ある程度体力のある患者さんしか搬送に耐えられません。徐々に傾き始めているという情報が入りました。(A)(A)(C)(C)(B)(B)(D)(D)が、入院できる病院は各市町に1~2施設しかありません。このため、高齢者の多くは高齢者福祉施設に頼らざるを得ず、介護レベルは病院並みの高さでした。しかし、現行のEMISでは病院以外の情報は集約されていません。このため、DMATが直接高齢者福祉施設を訪問して被災状況を確認し、必要に応じて医療支援を行う必要がありました。この経験から、高齢者福祉施設の情報収集と適切な医療支援の方法を考えることは、南海トラフ地震などで広島が被災した際にも重要な課題となります。表3に、広島県の災害医療における、能登半島地震の教訓を活かす方法をまとめました。能登半島地震の経験を基に、広島が災害に見舞われた際の対応策を再考しておくことが重要です。

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