守る命つなぐ希望 災害時に役立つ基本知識と最先端技術
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令和6年能登半島地震の対応と教訓15図9 能登半島地震の活動拠点本部    A 活動拠点本部では、全国から集まったDMATが協力して、毎日の調査方針・医    B 現場派遣したDMATが安全かつ有効に活動できるよう、病院や避難所・崩落現場・そこまでの道路状況などの情報を集め、適切にDMAT隊員に通知します。DMATの位置情報も管理し、無事に目的地へ到着できたかどうかを確認します。療支援方針について検討します。(A)(A)(B)(B)令和6年能登半島地震は、2024年1月1日に石川県能登地方で発生した地震災害です。マグニチュード7.6、震度7という大地震は、数千棟に及ぶ家屋の全壊・半壊そして道路や橋も多数崩壊するなど、甚大な被害をもたらしました(図9)。この地震で最大の課題となったのは、能登半島へのアクセスの困難さでした。被害が集中した地域へ行くためには、片道一車線の山道を長時間進む必要がありました。海路も検討されましたが、地震による地殻変動で難航しました。その結果、西日本豪雨の時と同様、現場に多くの被災者がいることは分かっていても、DMATや医療資源を届ける方法が限られてしまいました。通常、DMATは被災地近くの安全な地域に宿泊し、そこを拠点に医療支援を行います。しかし、能登半島地震では、安全な地域と被災地の距離が遠く、交通網も発達していなかったため、DMATは被災者と共に避難所に寝泊まりしました。入浴はできず、寝袋で廊下に寝る生活を

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