災害医療で重要な視点トリアージの重要性8表2 臨床現場における虫の目と鳥の目の違い虫 の 目外来患者の主病名のみに集中入院重症患者のみに集中災害目の前の被災者に集中患者の主病名+合併症を含め全身をチェック重症ではない患者が重症化しつつないかもチェック目の前にはいない被災者(遠方・まだ救出されていない等)の医療計画も立てる鳥 の 目災害医療では「虫の目」「鳥の目」「魚の目」が重要です。「虫の目」のように目の前の患者さんを詳細に評価・診断し、「鳥の目」のように被災地域全体を見渡し、「魚の目」のように時流を読み取り未来を予測する力が必要です。実はこのやり方は、災害医療に限ったことではなく、普段の外来・入院診療においても重要な視点です。目の前のことに集中すると、ついそれ以外のことがおろそかになりがちですので、特に災害医療では「鳥の目」を持つことを意識しておくことが重要です(表2)。災害医療では「トリアージ」が重要です。トリアージは、患者さんの重症度を分類し、治療の優先順位を決める方法です(図3)。具体的には、図4の流れに従って、患者さんの重症度を大まかに分類していく方法です。災害現場ではカルテがないため、トリアージ・タグに傷病名と重症
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