知っておきたい命の危機に直結する救急疾患
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  ③気道異物による窒息への対応 …1)軽度気道閉塞  … 軽度気道閉塞でしっかりと咳ができている場合には、患者自身の咳を妨げないようにして、周囲の人による窒息解除の手技は行いません。ただし、この場合でも気道異物が移動して完全気道閉塞に移行する場合があるので、注意深い観察が必要です。軽度気道閉塞21表2 気道閉塞の程度と症状および対応・声を出すことができる。・意識があり、咳き込める。・息を十分吸ったり吐いたりす症 状ることができる。・呼吸がしっかりできていれば、自分の咳で異物を出すように励ます。・患者自身が咳をして異物を出そうとしているのを妨げない。・窒息解除の手技は行わない。・それでも、異物を出すことができなければ、救急要請を行って、状態を見守る。対応法・咳によって異物が出ても、医療機関を受診する。・呼吸困難やチアノーゼが出現。・ユニバーサル・チョーキング・・声が出ない窒息患者を発見した場合、すぐに救急要請を行う。・続いて窒息解除の手技を行完全(重度)気道閉塞(緊急度が高い)・声を出すことができないか弱い。・咳ができないか、小さな弱い咳のみ。サインを示している。う。 2)完全(重度)気道閉塞  … 完全(重度)気道閉塞は心肺停止と同様に、緊急度が極めて高く、救急要請を行って救急隊が到着するまでの時間にも、周囲の人(バイスタンダー)による適切な窒息解除の手技による対応が必要です。救急隊が到着するまでに行うことは意識(反応)がある場合(苦しそうであるが、こちらの言っていること

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