知っておきたい命の危機に直結する救急疾患
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14写真5 アナフィラキシーによる紅斑と地図状の膨疹 ④アドレナリン自己注射薬(エピペン®)  … エピペン®とはハチ毒や食物などにより過去にアナフィラキシーを起こした患者や起こす危険性が高い患者に対して、医師が処方する自己注射のキット(図6)です。エピペン®には、アナフィラキシー患者に対して医療機関でも使用されるアドレナリンと同じ薬剤が含まれています。処方されている患者は、アナフィラキシーの症状が出現した時にエピペン®を使用すると、アドレナリンが筋肉内に注射されます。体重15kg以上の小児でも処方されることがあり、患児が自分で自己注射することが原則ですが、難しい場合には保護者や教職員、保育者などが代わりに使用することが認められています。エピペン®の使用において大切なことは、アナフィラキシーが疑われる場合には、躊ちゅうちょ躇せずに使用することです。食物アレルギーの患者でアナフィラキシーが生じると、約30分で心停止となることが報告されています。エピペン®を処方されているアレルギー疾患のある児童にアナフィラキシーが生じた場合、児童が自らエピペン®を使えないことがあります。そのようなことが学校などで起 

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