知っておきたい命の危機に直結する救急疾患
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121)アナフィラキシー ①アナフィラキシーとは  … 本来、ヒトは自分以外の異物(微生物や物質)が体内に侵入した場合に、体に悪い影響がでないように、抗原抗体反応によって異物を不活化したり排除したりしようとする「免疫」という仕組みが働きます。アレルギーとは通常害のない異物に対して起こる免疫の異常反応を意味します。アナフィラキシーとは異物が侵入した際に、通常とは異なった過剰なアレルギー反応が生じることを意味しており、特に血圧が急に低下してショック状態となる場合を、アナフィラキシーショックと呼んでいます。1年間にわが国で50~60人がアナフィラキシーショックで死亡しています。 ②原因物質  … 原因物質はアレルゲンと呼ばれており、体内に侵入あるいは付着する可能性がある物質はすべてアレルゲンとなる可能性があります。主なものとしては食物(ピーナッツ、乳製品、小麦、甲殻類、果物など)(68%)、薬剤(画像診断の際の造影剤、抗生物質など)(12%)、刺しこう咬昆虫(ハチ、クモなど)(4%)があり、ハムスターなどの小動物に咬まれた際に、ヒトの体内に侵入するわずかな小動物の体液もアレルゲンとなることがあります。身近に生じる緊急度の高い外因性疾患身近に生じる緊急度の高い外因性疾患身近に生じる緊急度の高い外因性疾患身近に生じる緊急度の高い外因性疾患333

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