知っておきたい命の危機に直結する救急疾患
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①②③①②③右肺左肺10写真4  80歳代、女性。食事中に突然背面の突き刺すような痛みを自覚して、冷汗が出現。痛みは少し弱まったが持続しており、救急車にて来院した。来院時の造影CTにて胸部下行大動脈に急性大動脈解離を認めた。     胸部下行大動脈が解離しており、偽腔内と真腔内に分かれて血液が流れている(赤矢印)。     写真左 水平断(体の輪切りの断面)の造影CT ①胸部上行大動脈        ②胸部下行大動脈(真腔) ③偽腔     写真右 矢状断(体の縦方向の断面)の造影CT ①胸部上行大動脈        ②胸部下行大動脈(真腔) ③偽腔ントロールなど速やかな対応が必要となります。高血圧が原因で起こることが多く、症状は何の前触れもなく、突然の激烈な胸や背中の痛み(「背中を引き裂かれる」や「背中に杭■■が刺さる」と表現されるような痛み)が生じます。大動脈が解離する部位によっては、突然の今まで経験したことがないような腹痛が症状の場合もあります。このような激烈な痛みを感じた時は、多少治まったとしても、すぐに救急車を呼んで、救急隊員に状況を伝えなければ手遅れとなります。

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