★9図3 大動脈 心臓の大動脈弁より上方へ向かい、頭部や上肢へ向かう枝を分岐しながら、Uターンして下方へ向かい、腹部の臓器へ向かう枝を出しながら左右の総腸骨動脈へと続きます。図4 急性大動脈解離 ★印の位置(大動脈の壁の内膜)に裂け目が生じて、血液が大動脈の壁の中(中膜)に侵入して偽腔を形成。 ②急性大動脈解離 … 大動脈は心臓から上方へ出て、Uターンして骨盤のあたりまで伸びる体の中で最も太い動脈で、高い圧力で血液が流れています(図3)。急性大動脈解離は大動脈の壁に亀裂がはいり、そこから血液が壁内に侵入することにより、壁の内側と外側が裂けるような形(解離)となり、偽腔(本来あるべきではない空間)を形成する疾患です(図4)。偽腔が形成される部位により、大動脈から分枝する重要な血管を閉塞し、心筋梗塞、脳梗塞、消化管壊死、下肢血流障害が生じます。また、心膜内に出血すると心タンポナーデが生じることがあります。急性大動脈解離は発症後15分で20%弱、24時間で40%弱、1週間以内に70%以上の患者が死に至るといわれており、手術や血圧の厳密なコ大動脈弓部胸部上行大動脈大動脈弁(第3-4胸椎レベル)心臓右下肢へ胸部下行大動脈腹部大動脈横隔膜腎動脈総腸骨動脈左下肢へ大動脈の壁大動脈の壁血流偽腔真腔外膜中膜内膜
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