知っておきたい命の危機に直結する救急疾患
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心筋8正常冠動脈図2 正常冠動脈と急性冠症候群の冠動脈の状態写真3 冠動脈閉塞(前下行枝)による急性心筋梗塞(病理標本)    アテローム硬化(矢印の白い部分)により冠動脈が狭窄して中に血栓が付着して冠動脈が閉塞。労作性狭心症急性心筋梗塞アテローム硬化による冠狭窄血栓プラークの破綻ています。冠動脈の壁にコレステロールがたまり(プラーク)、血液の流れが悪くなった状態が狭心症で、さらに突然、プラークがわずかに破綻して血栓を形成し、冠動脈が閉塞してしまった状態が急性心筋梗塞です(図2)。急性冠症候群では突然の激しく締め付けられるような胸痛が生じ、冷汗を伴います。狭心症の段階では、安静にして血圧や脈拍が落ちついてくると15分以内には痛みは治まりますが、急性心筋梗塞では強い痛みが長時間続きます。短時間でショック状態となり致死的な不整脈(心室細動)を伴うことも多く、すぐに救急車を手配して、心肺停止に備えながら搬送することが重要です。疾患

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