7写真1 くも膜下出血頭部CT 矢印の部分がくも膜下出血写真2 右中大脳動脈分岐部に認められる13mm大の脳動脈瘤(動脈の一部が膨らんでコブのようになっている)。瘤を認めた。脳神経外科にて脳動脈瘤に対して開頭クリッピング術が施行され、約1カ月後に後遺症なく退院となった。2)胸 痛 胸痛には緊急度の高い疾患が比較的多く、特に命の危機に直結するような胸痛を来す疾患は、三大胸痛疾患と呼ばれており、急性冠症候群(急性心筋梗塞、狭心症)、急性大動脈解離、肺塞栓症があげられます。これらの疾患は、致死率も高く、救急車で急いで医療機関を受診して、直ちに治療を開始しなければなりません。 ①急性冠症候群(急性心筋梗塞、狭心症) … 心臓は1日に約10万回拍動しており、全身の臓器へ血液を送り出すポンプの役割を担っています。心臓は心筋と呼ばれる筋肉でできており、心筋そのものが規則正しく収縮(拍動)するためには、心筋への酸素供給が欠かせません。心筋に酸素を送るために、心臓の表面には3本の冠動脈と呼ばれる血管があり、冠動脈の中を血液が流れることにより、心筋に酸素が供給され
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