5図2.新型コロナウイルス感染症の肺外症状Nature Medicine(Gupta A, et al. Nat Med 2020; 26: 1017-1032)から引用、筆者にて一部改変神経障害腎障害肝障害・トランスアミナーゼ上昇胃腸障害血栓塞栓症心臓障害内分泌障害皮膚障害・頭痛・めまい・脳症・ギラン・バレー症候群・味覚障害・筋肉痛・嗅覚障害・脳卒中・急性腎不全・タンパク尿症・血尿・ビリルビン高値・下痢・吐き気/嘔吐・腹痛・食欲不振・深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症・たこつぼ心筋症・心筋炎・心臓性不整脈・心原性ショック・心筋虚血・肺性心・高血糖症・糖尿病性ケトアシドーシス・点状出血・網状皮斑・紅斑性皮疹・蕁麻疹・小水疱・しもやけ 例えば、オミクロン株以前によく見られた嗅覚障害について、ACE2受容体は肺や鼻の粘膜などに高度に分布しているため、ウイルスがそこに結合することで、上気道炎症状(いわゆる風邪の症状)や肺炎などを起こしやすくなっています。特に、鼻の粘膜に多く存在するため、鼻は感染の入り口になって嗅神経(匂いを感じる神経)の障害を引き起こすため嗅覚障害を来します。年代別に鼻の粘膜におけるACE2遺伝子の発現を見ると年齢と共に増加しており(図3)、このことから小児では侵入するウイルス量も少なく、免疫が寛容な状態にあるため重症化しにくいと考えられています。
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