知っておきたい新型コロナウイルス感染症の後遺症
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4図1.新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の侵入機序Nature Medicine(Gupta A, et al. Nat Med 2020; 26: 1017-1032)から引用、筆者にて一部改変 新型コロナウイルスの表面にはスパイクタンパク質と呼ばれる突起が無数に並んでいます。これが「鍵」となって、人間の細胞の表面にあるACE2(アンギオテンシン変換酵素2)受容体と呼ばれるタンパク質を「鍵穴」として結合すると、感染へのドアを開くような働きをします(図1)。細胞内に侵入したウイルスは、細胞内で増殖して直接組織を障害したり破壊したりします。ACE2受容体は鼻や口の粘膜、肺、脳、心臓、血管、小腸などに存在するため、全身の臓器において、さまざまな症状を引き起こします(図2)。障害が高度であったり、長引いたりした場合に、後遺症として多彩な症状が現れる可能性があると考えられています。後遺症の原因後遺症の原因

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