知っておきたい新型コロナウイルス感染症の後遺症
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3 新型コロナウイルスに感染した人の中には、回復後も数週〜数ヵ月間、長い人では1年以上にわたって全身倦けんたいかん怠感や筋力低下、頭痛、呼吸困難、脱毛、嗅覚・味覚異常などのさまざまな症状が続く方が見られます。これらは「Long COVID」や「Post-acute COVID-19 syndrome」などと呼ばれています。厚生労働省は「罹患後症状」と呼んで診療の手引き(https://www.mhlw.go.jp/content/000935259.pdf)を作成しています。そもそも「後遺症」というのは、将来的に回復が見込めない身体的または精神的な症状が残っている状態を指します。新型コロナウイルス罹患後に持続する症状は、遷■■■■延するけれど完治しない状態ではないと考えられており、また日本国内では「後遺症」と呼ばれることが多いため、ここでは新型コロナウイルス感染症の「後遺症」という表現を使います。 米国疾病対策予防センター(CDC)では発症から4週間、英国国立医療技術評価機構(NICE)では12週以上たっても続く症状と定義されています。症状の多くは時間の経過とともに改善することが多いとされていますが、中には1年以上も続くこともあり、原因として身体的障害のほか精神・心理的な要因が大きな割合を占めることもあります。以上から、身体面および精神面の両方から多角的にアプローチを行い、適切な診断・治療を行うことが必要と考えられています。新型コロナウイルス感染症の後遺症とは?新型コロナウイルス感染症の後遺症とは?新型コロナウイルス感染症の後遺症とは?

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