22図12.ワクチン接種回数による後遺症出現頻度の差(変異株毎の検討)イギリス国家統計局(ONS)資料から引用、筆者にて一部改変ワクチン2回接種デルタ株オミクロン株ワクチン3回接種デルタ株オミクロン株02468%0246810121416101214161818 現在、オミクロン株が主流となった第6波においては、喉の痛みや鼻水といった症状が増えていますが、逆にデルタ株以前の後遺症に特徴的であった嗅覚・味覚障害という症状の頻度は少なくなっています。さらに、重症化する患者さんも少なく、後遺症が出現する頻度もデルタ株と比べてオミクロン株では少ないという報告もあります。これは、ウイルスの弱毒化と捉える意見もありますが、ワクチン接種が進んだことによって、重症化する人の割合が少なくなったことも要因であるとも考えられます。 イギリス国家統計局(Office for National Statistics: ONS)によると、デルタ株における後遺症の出現頻度はワクチン接種を2回受けている人で15.9%、3回受けている人では8.5%と低くなっています(図12)。また、オミクロン株においてはデルタ株に比較して後遺症の割合は低くなっていますが、3回接種者の方がさらに低値になっており、ワクチン接種は後遺症予防の点においても重要であると言えます。
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