47⑵ 血管迷走神経反射 血管迷走神経反射とは、緊張やストレスのある中で、針刺しの時の痛みなどが誘引となり生じることがあります。 その結果、迷走神経(副交感神経)が過度に興奮し、末梢血管の拡張、心拍数の低下などにより血圧が低下し、気分不良、顔面蒼白、冷や汗、意識消失などの症状をきたします。 症状は一時的なもので適切に対応できますが、血圧低下や意識を失った時に転倒し、頭を打撲するなどして二次的な事故に繋がるため危険です。 過去に注射や採血時にこうした経験がある場合は、あらかじめベッドに横になったままで注射を受けるなどし、事故を防止することができますので、事前に必ず相談してください。【有害事象1:当日起こる反応】⑴ アナフィラキシー アレルギーの原因物質に曝露され発症後、極めて短時間のうちに現れるアレルギー症状です。皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、循環器などの複数の臓器あるいは全身に症状がでます。重度の場合は血圧低下、意識消失などアナフィラキシーショックとなります。女性に多いと報告されています。 厚生労働省の集計では、アナフィラキシーによる死亡が毎年数十人と報告されていますが、蜂毒、薬剤、食物などが原因です。 アナフィラキシーの頻度については、2013年の調査で高校生以下の子どもの0.48%がアナフィラキシーを経験したという報告もあります。 アナフィラキシー(ブライトン基準1~3)はワクチン接種後30分以内に発生していたので、危険性が高いと判断された場合はワクチン接種後の経過観察を30分まで延長します。 アナフィラキシーショックの場合はアドレナリンという薬剤を筋肉注射し、病院での治療を行います。
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