37【組換えタンパクワクチン】 米国ノババックス社のワクチン「ヌバキソビッド」は、組換えタンパクワクチンと呼ばれるワクチンです。 仕組みは、同じく新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のパーツ(表面抗原)であるスパイクタンパク質の設計図部分の一部を、昆虫(ツマジロクサヨトウという蛾)由来の細胞に遺伝子組み換え技術で導入し、これらの細胞を大量に培養し、スパイクタンパク質を生産させます。こうして得られたスパイクタンパク質を精製し、免疫を増強するアジュバントとともに投与するワクチンです。ワクチンを投与(筋肉注射)すると、このスパイクタンパク質が免疫担当細胞に取り込まれ、抗体産生(液性免疫)、細胞性免疫反応が誘導されることで、新型コロナウイルスに対する効果が発揮されるとされています。 このワクチン技術は他の疾患(B型肝炎、帯状疱疹など)に対して既に実用化されています。また、mRNAのように超低温での保管は不要で、普通のインフルエンザのワクチンなどと同じような扱いができます。
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