30【生ワクチン】 病原性を弱めた(感染によって引き起こされる症状を軽くした)病原体でできています。接種するとその病気に自然にかかった場合とほぼ同じ免疫力を獲得することが期待されます。一方で、弱毒化されたとはいえウイルスに感染しますから、副反応としてその病気にかかったような症状が出ることがあります。[MRワクチン(M:麻疹+R:風疹)、水痘(水ぼうそう)ワクチン、BCGなど]【不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン】 感染力を無くした病原体や病原体のパーツであるタンパク質からできています。1回の接種では免疫の獲得が不十分なので複数回の接種が必要です。[インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチン、四種混合ワクチン(D:ジフテリア+P:百日ぜき+T:破傷風+IPV:不活化ポリオ)、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン]【新世代のワクチンの種類】 免疫細胞に「異物」だと認識させるために、ウイルスやウイルスのパーツを一定の量以上投与することが必要だと説明しました。「生ワクチン」は一旦感染をさせることで、十分な「異物」ウイルスを体内に持ち込むので免疫獲得しやすい特性がありますが、一方で実際に感染して症状を残すなど問題もありました(ポリオ生ワクチンによるポリオ発症など)。 新世代のワクチンは、ウイルスのカラダを構成するタンパク質の遺伝情報の一部を人の体に持ち込むことで、一時的に大量のウイルスタンパク質を産生させ、十分な免疫の獲得を目指して開発されています。 新世代のワクチンとして、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチンが開発されています。 今回の新型コロナウイルスワクチンもこうしたウイルスのパーツだ
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