知っておきたい整形外科の救急
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25レベルにも起こりうる疾患です。姿勢不良やスポーツなどが原因となることもしばしばあります。椎間板が突出した場所により、痛みやしびれの出現する部位が異なるため、症状から損傷部位をある程度予想することが可能です。症状が重篤になると、疼痛の増悪や筋力低下を引き起こし、場合によっては膀胱直腸障害(排尿・排便困難など)を呈することもあります。基本的には内服加療やリハビリを行いながら経過観察することで症状は軽快してくることが多いですが、症状が重篤な場合には手術的加療を行う場合もあります。交通事故やスポーツ外傷に伴う、脊椎の脱臼や骨折が原因となり、脊髄神経が圧迫・損傷されることで発症します。頸椎〜腰椎まで、どのレベルにも起こりうる可能性のある疾患です。損傷の程度により、完全麻痺と不全麻痺があり、損傷された部位より末梢側の運動・感覚障害が出現します。受傷した場合には、不用意に脊椎を動かさないようにするため、的確で強固な脊椎の固定(安静)が必要です。もともと頚椎症性疾患等(頚椎症など)を患っている患者さんの場合、骨折や脱臼が無いにもかかわらず、外傷などを契機に脊髄損傷に類似した症状が出現することもあります。これを中心性損傷と呼びます。整形外科を受診していただき、MRIなどを用いて損傷部位【脊髄損傷】

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