183.剥離骨折a)上・下前腸骨棘剥離骨折 サッカーなどのボールを蹴る運動や陸上競技を行う若年者に多い骨折です。強力な筋肉により骨が牽引されて筋肉の付着部で剥離骨折を生じます。縫工筋の牽引により上前腸骨棘骨折が生じ、大腿直筋の牽引により下前腸骨棘が損傷されます。レントゲン、CTなどの画像検査で診断を行い、一般的には保存的加療が行われることが多い骨折です。早期の社会復帰や競技復帰を必要とする場合には手術を行うこともあります。b)坐骨剥離骨折 坐骨結節に付着するハムストリングの牽引により生じる骨折です。上・下前腸骨棘剥離骨折と同様に保存的加療を行うことが多いとされています。
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