知っておきたい整形外科の救急
16/34

13(正面)上腕骨顆上骨折のレントゲン写真(側面)3.上腕骨顆上骨折3歳〜10歳頃までの子供に多い肘の骨折です。受傷機転としては、鉄棒やうんていなどの遊具からの転落の際、肘を伸ばした状態で手をついた場合に受傷する例が多いです。レントゲン検査にて転位がない場合はギプス副子固定が有用ですが、転位があり腫脹が強い場合は、牽引療法による保存的加療や麻酔下での徒手整復もしくは鋼線による手術的治療などが必要となります。転位が強い状態では数時間経過するだけで、骨折部周囲の腫脹が増悪し、循環障害により肘から手にかけての麻痺が残ることがあります。これをVolkmann拘縮といい、この後遺症を防止することが重要です。

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る