12肘関節の障害1.靭帯損傷2.肘内障3.上腕骨顆上骨折1.靭帯損傷肘関節には内側と外側に靭帯があり、投球動作などで特に内側の靭帯が損傷されやすいです。投球動作時の肘内側部痛を主訴とし、同部位に圧痛を認めます。治療は、受傷早期の場合で靱帯の完全断裂が疑われない場合には外固定による保存療法が選択されます。靭帯の完全断裂が疑われる場合、保存療法にて改善がみられない場合や、損傷後長期間経過した例で疼痛や不安定感が著しい症例では手術が選択されることがあります。2.肘内障1歳〜4歳くらいの子供が肩が外れた、腕がぬけたという場合、最も疑われる疾患です。親が子供の手を強く引いたときなどに生じることが多く、輪状靭帯という肘の靭帯が未熟なために亜脱臼することが原因です。肘の腫脹は見られません。受傷機転ならびに外観を確認して肘内障が最も疑わしければ、レントゲン検査を行わずに整復を行います。無事に整復されれば、痛みなく上肢を動かすようになります。バイバイが出来れば、確実に整復が出来ている指標となります。
元のページ ../index.html#15