知っておきたい産婦人科の救急
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6赤ちゃんがまだ子宮内にいるうちに、胎盤が子宮から剥がれてしまう状態です。お母さん・赤ちゃんともに生命が危険な状態に陥るため、緊急性の高い病態です。原因としては、妊娠高血圧症候群、子宮内感染、外傷(交通事故)などが挙げられます。はっきりとした症状がないことも多いのですが、性器出血・強い下腹部痛・胎動減少を認めた場合には救急外来を受診していただき、超音波検査・胎児心拍陣痛図・血液検査等にて詳しく調べる必要があります。治療としては、常位胎盤早期剥離と診断された場合には早期に赤ちゃんを娩出する必要があるため、緊急帝王切開術を行います。なお、大量出血による播種性血管内凝固症候群(DIC)に陥った場合には、さらに出血が止まらなくなるため、速やかにDICに対する薬物療法・輸血を開始します。 ❹ 常位胎盤早期剥離

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