知っておきたい産婦人科の救急
8/26

5妊娠22週以降で妊娠37週より前の出産を「早産」といい、早産の一歩手前である状態を「切迫早産」といいます。子宮収縮が頻回に起こり、子宮の出口が開いてしまって赤ちゃんが出てきそうな状態や、赤ちゃんを包む膜が破れて羊水が漏れている状態(破水)のことです。治療としては、子宮口が開かないように子宮収縮抑制剤を投与します。また切迫早産の原因となる腟内の細菌感染を除去するため抗生剤投与することもあります。また、子宮収縮が軽くて子宮口があまり開いていない場合には外来通院による治療が可能ですが、症状が増悪した場合には入院管理にて治療を行います。妊娠32週より前に破水した場合には、赤ちゃんが自分で呼吸ができる状態になるまで抗生剤を投与して細菌感染を抑えます。妊娠34週以降であれば、赤ちゃんは自分で呼吸できる可能性が高いので、感染する前に出産し、生まれた後に治療室で赤ちゃんの治療を行います。なお、子宮口が開きやすい体質(頸管無力症)の場合には、状況により子宮の出口を縛る手術(子宮頸管縫縮術)を行うことがあります。 ❸ 切迫早産

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る