知っておきたい産婦人科の救急
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3液のかたまり)がある場合には、安静が効果的とする研究報告もあります。少量の性器出血や軽度の下腹部痛は、正常妊娠でも起こることがありますし、切迫流産の場合でも対処法はなく安静・経過観察となりますので、すぐに救急外来を受診する必要はありません。しかし、安静にて症状が改善せず増悪する場合には、異所性妊娠の可能性もありますので、受診してください。赤ちゃんが正常に発育できる子宮内腔以外の場所(卵管や卵巣など)に妊卵が着床したもので、全妊娠の1-2%にみられます。異所性妊娠の98%が卵管妊娠で、そのほとんどが卵管膨大部妊娠です。その場合、卵管流産または卵管破裂を起こして、お腹の中に出血します。性器出血があるまでほとんど症状はありませんが、性器出血とともに強い下腹部痛を認め、貧血・出血性ショックを引き起こします。その他に頻度は少ないですが、…図1に示すような部位に、異所性妊娠が起こる可能性があり、部位により症状が少し変わります。市販薬で妊娠反応陽性となった妊娠5-6週以降で、超音波検査にて子宮内腔に胎嚢を認めない場合は、異所性妊娠の危険性があるため慎重な管理が必要となります。 ❷ 異所性妊娠

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