14附属器炎(卵管炎、卵巣炎)さらに炎症が骨盤腹膜に広がったものを骨盤腹膜炎と呼びます。淋菌やその他の細菌、クラミジアなどが原因となって、卵巣卵管炎や骨盤腹膜炎が起こります。糖尿病合併や子宮内避妊器具(IUD)を長期間装着している場合は、子宮の感染を起こしやすいので注意を要します。発熱や下腹部痛、膿性帯下などがあり、抗生物質で治療しますが、子宮や卵管に膿が溜まった場合は、排膿のための手術が必要になることがあります。陰部ヘルペスは、単純ヘルペスのⅡ型の感染によるものでしたが、性行動の変化により単純ヘルペスⅠ型による感染も増えています。初発型、再発型がありますが、救急で問題となるのは初発型です。文字通り初発時には、発熱、多発外陰潰瘍、そけいリンパ節が腫大します。また、痛みのため排尿障害(Elsberg症候群)、歩行障害が起こったり、髄膜刺激症状を伴う場合は、入院加療が必要になります。再発型の場合 ❺ 附属器炎、骨盤腹膜炎 ❻ 外陰潰瘍、ヘルペス外陰炎
元のページ ../index.html#17