22図11 エコノミークラス症候群とは… エコノミークラス症候群とは、飛行機で長時間旅行したあと、飛行機を降りて歩き始めたとたん、急に呼吸が苦しくなり、時には亡くなる事もある恐ろしい病気です。飛行機で長時間旅行すると、長い間椅子に座ったままの状態を強いられる事が多く、足の血液の流れが悪くなり、足の血管のなかに血の塊(血栓)ができることがあります。この塊は、歩行などをきっかけに足の血管から肺に到達し、大きいものであれば肺の血管をふさぐこともあります。これはエコノミークラスだけでなく、ビジネスクラスやファーストクラスでも起こります。医学的には、足の血管に血の塊ができる病気を“深部静脈血栓症”と呼び、この血の塊が肺の血管をふさぐ病気を“急性肺血栓塞栓症”といいます。“エコノミークラス症候群”は、長時間の飛行機旅行によって引き起こされた“急性肺血栓塞栓症”のことなのです(図1)。… この病気は、飛行機旅行以外でも長時間同じ姿勢をとっていると発症することがあります。代表的なものは自然災害に伴う避難所生活、特に車中泊などです。東日本大震災でも、地震発生から4ヶ月
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