20胸部大動脈心臓から横隔膜までの部分。腹部大動脈横隔膜から下の部分。図1弓部三分枝弓部上行下行心臓横隔膜腹腔動脈腎動脈大動脈解離図2大動脈瘤外膜中膜内膜下行大動脈に発生すると突然の背部痛として自覚し、腰のあたりまで痛みが進行していきます。大動脈解離は動脈硬化を根源として発症することが多いのですが、体質的に大動脈の壁が弱くなる病気(マルファン症候群など)では若い時期に大動脈解離を発症することもあります。…大動脈の壁が割けて血液が心臓の周りに漏れると心臓を圧迫し心臓が拡張できない状態になります。胸や腹の中に漏れても大出血を起こし血圧は急激に低下します。大動脈の血液が漏れるといずれにしても大変危険な状態となります。大動脈は胸から腹へ向かって走行する動脈の本幹ですが、いずれかの部位でコブ状に膨らんでしまう状態が“大動脈瘤”という病気です(図2右)。大動脈瘤は大きくなるまで症状が現れないことも多く、みつかりにくいといわれています。いったん大きくなりはじめると短期間でさらに大きくなることもあり最終的に破裂する危険性があります。
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