知っておきたい心臓病の救急
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152 心室細動の治療について3 徐 脈… 心室細動を起こし幸いにも救命された場合、次のステップとして再発防止が大変重要となってきます。飲み薬による予防治療に加えて、たとえ再び心室細動がおきても確実かつすみやかに停止できるように最近では植え込み型除細動器(ICD)という器械が用いられています。5cm足らず程度胸の皮膚を切開して皮膚の下に本体を植え込みます。ICDは心室細動が起きた時に体内で自動的に感知して電気ショックをかけてくれる器械であり、突然死予防の目的で広く普及しています。…… 心臓のなかでは通常1分間に60~80回、心房から心室へと電気が流れています。1回流れると、これに呼応して心臓は1回収縮するので周りの人に目撃され直ちに心肺蘇生が行われると救命率は上昇します。最近はAEDも普及してきていろいろな場所に設置してあり、発見後すぐにAEDが用いられて救命できるケースが増えてきました。………… 心室細動の原因となる病気はいくつかあります。心臓の血管がつまり心臓の動きが悪くなる心筋梗塞や、心臓の筋肉が厚くなったり逆に薄くなったりして動きが悪くなる心筋症が心室細動をひき起こす代表的な病気です。なかには、心臓の動きは正常でも電気回路に異常があり心室細動を起こす病気(ブルガダ症候群やQT延長症候群など)もあります。

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