知っておきたい心臓病の救急
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10アテローム硬化による冠狭窄血栓プラークの破綻図1正常冠動脈労作狭心症心筋梗塞2 心筋梗塞の治療… もし急性心筋梗塞が起きたら、できるだけ早く治療を開始したほうがその後の経過が順調であることは言うまでもありません。症状を我慢しないで直ちに119番に電話をしてください。そして、自家用車ではなく救急車で病院に来てください。なぜなら、心筋梗塞の発症時には、強い胸痛、冷汗といった自覚症状だけではなく、危険な不整脈も生じやすい状態となっています。もし不整脈が生じる事態となっても救急車であれば電気ショック治療の装備もあり、救命士による迅速な対応を受けることができるからです。さらに早急に病院を受診することが可能となります。病院に到着したら、直ちに治療が開始されます。胸痛を緩和するために痛みを抑える注射をします。冠動脈がふさがった先の心臓の筋肉狭くなり、血栓という血の塊が狭いところに付着したりすると、冠動脈は完全にふさがった状態となり、心臓へ血液が供給されなくなります。すると、そこから先の心臓の筋肉は死んでしまい、強い胸痛、冷汗などの症状が長時間続きます。これが“急性心筋梗塞”とよばれる病気です(図1)。狭心症や急性心筋梗塞は、冠動脈が狭くなったりふさがったりする心筋虚血が原因で起こる病気ですので、2つをまとめて“冠動脈疾患”あるいは“虚血性心疾患”と呼びます。疾患

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