知っておきたい眼科の救急
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4図1 前眼部の構造と房水の流れ房水静脈集合管シュレム管隅 角線維柱帯角 膜虹 彩毛様突起水晶体硝子体硝子体房 水ます(図1)。この房水の循環によって、ほぼ一定の圧力が眼内に発生し眼球の形状が保たれます。この圧力のことを「眼圧」と呼びます。眼圧が上昇すると視神経が障害されやすくなり、緑内障になるリスクが高くなります。狭隅角とは、隅角が狭くなり、房水が流れにくくなってしまうことを言います。狭隅角が進むとついには隅角が詰まって房水が流れなくなります。これを閉塞隅角と呼びます。いったん隅角が閉塞すると、房水の流出が滞り、毛様体で産生された房水が虹彩の裏側に溜まってしまいます。そうすると溜まった房水は虹彩を上に押し上げるので、隅角はますます狭くなります。つまり悪循環です。部分的な閉塞が広い範囲の閉塞へと進み、つい

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