1 皆さんが眼科を受診するのはどんな時でしょうか?眼が見えない、眼が痛い、眼やにがでる、眼が充血した、眼がコロコロする、涙が出る、二重に見える、歪んで見える、など色々あるでしょう。このような症状を“急に”“夜間・休日に”自覚したとき、とても不安になると思います。眼の病気もたくさん種類があり、緊急で受診しないと手遅れになるものから翌日以降でも大丈夫なもの、放っておいても治るものまで様々です。したがって、今自分が置かれている状況が一刻を争うのかどうかを判断することは難しいかもしれません。眼科疾患の中にはできるだけ早急に対応しなければいけない病態があります。①急激な視力低下、②激しい眼痛、③外見上の急激な異常、外傷です。 それが急性緑内障発作、網膜動脈閉塞症、化学薬品による外傷、外傷であり、これらの疾患は初期治療が遅れることで予後(後々の見え方)に多大な影響が出ます。今回は眼科における真の緊急疾患ともいえるこれらの疾患について紹介します。この冊子を読んで眼科の救急疾患に対するより深い見識を得ていただくことで、より良い早期対応が受けられるようになる一助になればと思います。平成27年9月県立広島病院 眼科杉 本 洋 輔はじめに
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