知っておきたい眼科の救急
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21角膜(黒目)に、金属片や植物などが飛入し、強い痛みが生じます。主に、建設現場や工場などで発症し、すぐに眼科受診した方が良いのですが、結果的に眼科受診が遅くなってしまうことが多いです。しかし、場合によっては、黒目に濁りが生じ、視力が低下したまま回復しないこともあります。1)異物の種類で処置が異なります。 … 異物は、大きく分けて金属片と動・植物性のものに分かれます。金属片は鉄錆が出ますし、木の枝などの植物性異物ではカビが感染し重症化することが少なくありません。また、黒目に入り込んだ場合は、深さも重要になります。浅いものは除去できますが、栗のイガなど鋭利な物は黒目を貫通してしまい、手術室で縫合することもあります。特に、黒目を貫通したり瞳孔中央に飛入したりした場合は、視力が大幅に低下し、回復しない場合もあります。2)対 処 … 異物が眼に入った場合は、痛みと怖さで、つい眼を擦ってしまうことが多いのですが、押さえることで、異物が黒目の深い部分に移動したり、突き抜けたりしますので、押さえずにそのまま眼科へ受診してください。また、釣り針などが引っ掛かっている場合は、引き抜いたとたん、眼の内部組織も出てしまいますので、無理に引き抜かないようにしてください。◆角膜異物(図10)

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